2008年11月22日 (土) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(4)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(4)


では、他の歴史上の人物は、どのようにして
時の権力者と相対しているのか。

前田利家のような身の処し方をした最初の人物は、
藤原不比等だと思います。藤原不比等の先祖は
天児屋根命(あめのこやねのみこと)。

これは神話の世界ですし、大化の改新があったか
どうかも問題ですが、しかし、あったとしてその
一大功臣が父親の鎌足。不比等は次男ですが、
跡継ぎになります。

日本では天皇家、出雲の千家、それから藤原家。
これが三大名家です。


したがって、藤原不比等は、中国流にいうなら
「取って代われる資格」があるわけです。

ところが、不比等は「自分の祖先は天照大神にお仕えした者
である」ということをきっちり守って、自分の身分を逸脱し
ようとは決してしませんでした。

もっとも、実際には自分の先妻の産んだ子どもを天皇の妃に
し、後妻の生んだ子を皇后にして、実質的には皇室を乗っ取
ってしまいます。

そして、藤原家万々歳ということになるのですが、不比等は
絶対にそこから矩を越えなかったのです。

どんなに邪推して考えても、藤原不比等が皇位を狙ったとか、
念頭に置いていたということはあり得ません。

その証拠として、不比等が中心になり指揮して編纂した
『日本書紀』は、皇室がいかに日本の高貴な伝統であるか
綿々と謳いあげる書物です。謀叛気のある男がそんな書物を
作るわけがない。

ここに日本に固有の権力構造、つまり権威と権力とを分けて
いくという、この「二元論」が成立するのです。

その後、藤原家はますます栄えて道長の時にいちばんの絶頂
期を迎えます。ところが、その道長も関白の座を得ようとは
しませんでした。

後に子孫の近衛 家熙(いえひろ)が「御堂関白」という称号
を送っていますが、実際は「内覧」と呼ばれる関白の一つ下
の位にとどまっています。

関白になろうと思ったら、その日にでもなれる力があったに
もかかわらず、どう考えたのか、関白の座にはついていませ
ん。

これは、周囲や敵方の嫉妬を避けるために、「どこか一つ欠
けたところがある」という状態を選んだのではないかと思い
ます。

つまり、実質的に全権力を握ってしまえば、看板はどうでも
いい。権力も権威もと欲張ると、必ずまわりから嫉妬の集中
砲火を浴びてしまいます。

藤原不比等も道長も、それを避けるための「二元論」で、
権力さえ握ることができれば権威にはこだわらなかった
のです。



次回につづく


↓↓↓あなたの応援↓↓↓(1日1クリック)お願いします。

にほんブログ村 哲学ブログへ人気blogランキング精神世界 ランキング



スポンサーサイト
テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
散銭(ちりせん)
やまんばさんがたとえ地位も名誉もお金も美貌もなく
ても嫉妬する人は沢山いらっしゃると思います。

ちゃんと結婚していること、
子供がいること、
ご主人が元気でいて、
そして趣味の絵画を続けている。

それらのどれも嫉妬の対象になりますね。
嫉妬は、ほっておくと矢のように対象者にとどき、
そのひとの一番大切な人の不幸を招くといわれます。

やまんばさんご自身やご家族がお元気で、何はともかく
幸せでいられるのは「おばあちゃんの面倒を見ている」
からなのかもしれません。

中国の「算命学」に、「散銭」という言葉があります。
散銭とは文字通り、おカネを散らすこと、持っている
おカネを失うことです。

「散銭」によって人の嫉妬や、家族や自分の病気、さわり
を防ぐことができるといわれています。

散銭とは、見返りを求めず、純粋にカネを相手に与えてし
まうこと。たとえば、寄付、お布施、などがそれにあたり
ます。また、金銭でなくても、たとえばボランティアなど
の労力なども、この散銭に当たるそうです。

そしてまた、世話になった人に、金品でお礼するのも、
この散銭にあたります。すなわち、散銭とは好意あるいは
愛を表現する行為であるということなのだと思います。
お歳暮やお中元もそういったことなのかもしれません。


やまんばさんはこうした「散銭」を有形無形にやっていら
っしゃるのではないでしょうか。




2008/11/22(Sat) 18:59 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
嫉妬を避ける方法
何か一つ欠けたところがある・・やまんばはもともと地位も名誉もお金も美貌もありません。だから欠けるというより、ザルみたいなものです。そういう意味では嫉妬されないでしょうが、それでも一つ気をつけていることはあります。「相手が大切にしている領域には決して許可なく足を踏み込まないこと」・・です^^。えらい目にあいましたから・・こほこほ。
2008/11/22(Sat) 15:03 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック