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2008年11月19日 (水) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(1)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(1)


人間は、そのスケールの大きい小さいが違うだけで、
だれでも嫉妬心を持っています。

ただし、それを認めたくないという気持ち、
あるいはそれを人に悟られたくないという気持ち、

自分は嫉妬しているけれども、家人にも友人にも
社会のだれからも「あいつは嫉妬している」とだけ
は思われたくないという気持ちも強いのです。

「あいつは少々怠け者だ」と言われるのはかまいません。


「頭が悪い」と言われてもいいから、とにかく「嫉妬して
いる」とだけは言われたくない、そういう気持ちがあります。

いっぱんに嫉妬というと、すぐに男と女のセックス、性をめ
ぐる嫉妬を思い浮かべますが、これに関しては作家の田辺聖
子が名言を吐いています。

いわく「女の世界、女同士の嫉妬なんてかわいらしいもので、
男の嫉妬のものすごさに比べたらお話になりません」と。
これは、女性の立場からの発言です。

具体的な例をあげますと、司馬遼太郎が後期になって嫉妬心
の問題と取り組んでいます。中期には『新史太閤記』という
作品がありますが、

その中に秀吉が自分の播州入りを助けてくれた黒田官兵衛と、
前からの参謀である竹中半兵衛、この二人のあまりの明察に
対して、心のなかに嫉妬の情を覚えた、という意味の表現が
出てきます。

しかし、『新史太閤記』ではそれだけです。
そこでは、あくまでも秀吉と官兵衛との仲を美しく書いている。
これは秀吉を描くという観点から、あまり官兵衛が前方へ出て
行かないようにしてあったわけです。

それを司馬さんが思い返して書かれた後期の『播磨灘物語』と
いう作品は、黒田官兵衛物語ですが、じつは「嫉妬物語」であ
り、「嫉妬論」なのです。

黒田官兵衛の話が面白いのは天王山までで、それからは表に出
ません。播州を拠点として中国討ち入りのそのプロセスが、
『播磨灘物語』の核心になります。

この物語では、最初から秀吉が竹中半兵衛に嫉妬しています。
そして黒田官兵衛にはもっと嫉妬するのです。そうした嫉妬の
情景をなんべんも繰り返して、あたかもテーマメロディのよう
に物語の背骨をつらぬいています。

『播磨灘物語』は、まさに「嫉妬物語」なのです。
日本史上に二度と現れないような大物三人の嫉妬関係ですから、
これはもう「嫉妬論」としては、壮大無比の話になるわけです。



次回につづく


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テーマ:哲学/倫理学
ジャンル:学問・文化・芸術
コメント
この記事へのコメント
男の嫉妬のものすごさ
田辺聖子さんが
「女の世界、女同士の嫉妬なんてかわいらしいもので、
男の嫉妬のものすごさに比べたらお話になりません」と
仰ったそうですが、名言なのでしょうかねぇ~

男は嫉妬をしていても、表に出しませんから分かりにく
いというのがあるかもしれませんが、五分五分ではない
でしょうかねぇ~

女の人は男に比べるとはるかに分かりやすいというか
おとなしくしていないというか、すざましいというか
わめき散らしますからねえ~大変に迷惑です。

それに比べると男の場合は隠しますから、まあちょっと見
対処しやすい。

まあ何はともかく、人間は男も女も老いも若きも大変嫉妬
深いのであるということを肝に銘じて生きていかなければ
なりません。


2008/11/19(Wed) 19:11 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
男の嫉妬???
男になったことがないのでよくわかりません^^
しかし、嫉妬が人間関係を大きく左右しているのは なんとなくわかります。
やまんばは猫に嫉妬したことがあります。
私の大好きな人が自分より、その猫を可愛がっているのを見て、隠れて泣いたことがあります^^
当分それを根にもち、相手に対してやさしい言葉がかけられなかったのを覚えています^^相手にしてみれば急に不機嫌になったことを、きっとなんのことやら皆目見当がつかなかったと思います^^^^^
それ以来、人間関係で、急に無視されたときなどは、原因を自分の胸に聞いてみて心あたりがない場合は、案外何か嫉妬されているのかもしれないと思うこともあります。
猫で嫉妬するのだから、やまんばにとって、「嫉妬」とは手強い怪物に思えます^^^^
2008/11/19(Wed) 08:40 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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