2008年10月20日 (月) | Edit |
宇野千代著「天風先生座談」二見書房より (81) 


それを遠くの方から見ていた先生が、タタッと駈けて来て、
「アーユー、ギャバティ、」ギャバティとは悟ったな、という意味
です。「悟りました。先生。」

それからのちの私は、まったく、薄紙ではなく厚紙をはがすように、
毎日毎日、来る日来る日、嬉しくて愉しくて、なんとも形容出来な
い。ただ、有難い、嬉しいと思うことに努めただけで、

一週間たち、二週間たち、一月たち二月たつうちにしたがって、
ぐんぐん気持の中が洗い清められるようになった。同時に肉体が、
どんどん治って来た。

これは講習会で教えることですが、なぜ、そういうふうに心の持ち
方が変った場合に、体がよくなるかというと、


人間の神経系統の中にあるヴィス・メジカトリックス、ナチュール
(自然治癒力)というものと、こころの持ち方との関係をお話ししま
すとね。

私は自分でも驚くほど、それからのちの私は、今日の天風教義の
基礎を作りうるほど、うぬぼれもまじっているかもしれませんけれ
ども、自分が作り替えられていった、と自覚するほど、私は変わっ
ちまったのであります。

これを私は、あなた方に、今日、はっきりわかっていただきたいと
思って、この演題をもうけたのであります。

この中には、病気の人もおありでしょう。また、運命的に恵まれな
い人もありましょう。それを、恵まれない、恵まれないと言ってか
らに、お互いの生きる世界を暗くして、

窓を開ければ明るい座敷を、窓をしめて暗くしているような人生に
生きるのでは、人間として生れたからには、もったいないことじゃ
ないでしょうか。

二度も三度も生まれ変わるものならいい。人の命は、一ぺん死んで
しまったら、二度とこの世に出られません。である以上、たとえ
現在がどうあろうとも、三寸の息絶えて、万事休す。

その日まで生きているんですから、死なないかぎりは生きているん
ですから、たとえどんなことがあろうとも、生きているというこの
有難さを心に思い、どんな辛いことがあろうとも、

どんな悲しいことがあろうとも、すべてこの俺が、もっと高い心の
境地になるための、天の試練なり、というふうに考えて、それを喜
びと感謝に振り替えたら、どうでしょう。

いま、このことをそうだと思ったら、その人は今日から以降、
ほんとうの幸福というものを味わいうるひとです。

理屈はどうかしらないけれどもね。それはお前さんが偉いからだよ。
俺の現在の病や運命でもって、笑い顔ひとつ出来るかい、という気
持を持っている人は、縁のない人であります。

宇宙の真理はああだ、こうだと理屈を言う必要はないのであります。
論より証拠です。喜びと感謝の気持ちになって、生きてごらんなさ
い。理屈を言わないで。自然とあなた方の心の中に、大きな光明が
輝きだすから。

人間には、辛かったり苦しがったりするほうの自分と、喜びと感謝
で生きられるほうの自分とがあります。心の中の、もう一人の自分
を探し出して、たったいまから、どんな人生に生きようとも、

矢でも鉄砲でも来い、俺の心は汚されないぞ。俺の心の中は、永久
に、喜びと感謝でいっぱいなんだ、という気持で生きてゆかれれば、
その結果どうなるか。事実がきっと、あなた方に大きな幸福という
訪れでもって、お応えすると思います。

申しあげたいことはやまやまありますが、どうか、一人でもいい、
わかってください。あなた方個人の幸福は、また、人の世の幸福
です。

……
人の世は、「箱根山、籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人」
この世の中は、おのれ一人で生きている世界ではありません。

どんな場合であっても、自分の苦痛や辛さは、自分の心の中にしま
っておいて、喜びと愉しさ、あるいは有難さという、この気持で生
きることを、まず、あなた方が、その先達になっていただきたい。

では、みんさん、お元気で。ご機嫌よう。



         
             完



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コメント
この記事へのコメント
天風会
天風先生が創始された「天風会」は、数多くの傑出した
人物を排出し続けている公益法人であります。

今回タイピングさせていただいた宇野千代の「天風先生座談」は、
こうした天風会の講習会に手を加えられたものだと思います。

そして、天風先生も仰っているように「今日の天風会教義の基礎を
作りうるほど、自分が作り替えられていった」ところの根幹を成す
考え方が、本日のブログの本文に述べられているところであります。


「どんな悲しいことがあろうとも、
すべてこの私が、もっと高い心の境地になるための、天の試練なり、
というふうに考えて、それを喜びと感謝に振り替えたら、
どうでしょう。」

「どんな人生に生きようとも、矢でも鉄砲でも来い、
俺の心は汚されないぞ。

俺の心の中は、永久に、喜びと感謝でいっぱいなんだ、
という気持で生きてゆかれれば、
その結果どうなるか。

事実がきっと、あなた方に大きな幸福という訪れでもって、
お応えすると思います。」



天風会
http://www.tempukai.or.jp/web/top.html




2008/10/20(Mon) 18:29 | URL  | ろくろく #-[ 編集]
あなた方個人の幸福は、また人の世の幸福です。
天風先生の真心が風や大波のようになって、やまんばにやってきました。目頭が熱くなりました。
「自分の苦痛や辛さは、自分の心にしまっておいて、喜びと愉しさ、あるいは有難さという、この気持ちで生きることを、まず、あなた方が、その先達になっていただきたい」

単純なやまんばは、すぐに笑うし、またすぐに泣く。
良い事を聞いて実行しても三日坊主に終わることが多い・・・
いわゆる根性がない!
だけど、一つくらいは心に決めて守っていきたいと希望しました。
「自分の苦痛や辛さは自分の心にしまっておく」
マイナスの気持ちがやってきたら、何が何でも はねのけて上を向こう。そして喜びと感謝の気持ちを忘れずに生きていこうと思いました。
天風先生のいわれることを、今日から自分の人生で、試してみよう!
せっかくろくろくさんがこうして紹介してくださったのだから。天風先生も、ろくろくさんも、きっとみなさんの幸せを願って行動に移してくださったのだから。その心を大切にして、これから先の人生を生きていかねば、もったいないです。
本当にありがとうございました。


2008/10/20(Mon) 06:06 | URL  | やまんばさん #-[ 編集]
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