2008年11月28日 (金) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(10)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(10)
前項までが幕藩の前半で、後半になると各藩で米穀経済が
行き詰まり、藩政改革が起こってきます。
藩政改革は、経済官僚として有能な人物でないとできませ
んから、譜代の臣では無理です。
そこで、殿様が代々の家老などをすべて押さえ込んで、
足軽か、あるいはそれに近い下層から大抜擢します。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(10)
前項までが幕藩の前半で、後半になると各藩で米穀経済が
行き詰まり、藩政改革が起こってきます。
藩政改革は、経済官僚として有能な人物でないとできませ
んから、譜代の臣では無理です。
そこで、殿様が代々の家老などをすべて押さえ込んで、
足軽か、あるいはそれに近い下層から大抜擢します。
2008年11月27日 (木) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(9)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(9)
寛永時代の老中に、松平伊豆守信綱という人物がいます。
寛永十年に、若年寄から老中に上って、三十年間にわたって
老中を努めました。
その間に、島原の乱や由比正雪の乱などがありましたが、
それらは前の時代からの因縁で起きたもので、信綱の責任
ではありません。
政治家の仕事で何がいちばん偉いかというと、事件が起こら
ないようにすることです。事件が起こってから火を消しに行
くのは、だれにでもできます。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(9)
寛永時代の老中に、松平伊豆守信綱という人物がいます。
寛永十年に、若年寄から老中に上って、三十年間にわたって
老中を努めました。
その間に、島原の乱や由比正雪の乱などがありましたが、
それらは前の時代からの因縁で起きたもので、信綱の責任
ではありません。
政治家の仕事で何がいちばん偉いかというと、事件が起こら
ないようにすることです。事件が起こってから火を消しに行
くのは、だれにでもできます。
2008年11月26日 (水) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(8)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(8)
家康の晩年の寵臣で、本多正信という人物がいます。
じつは、大阪城落城の筋書きを全部書いたのが本多正信
です。
彼がいなければ、あれだけ無茶苦茶な言いがかりをつけて、
京都五山の僧侶を全部引っ張りこむような荒業はできませ
ん。
狸おやじ・海道一の弓取という家康の権威と、悪魔も顔負
けするような正信の悪智恵とが合体したからこそではない
かと思います。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(8)
家康の晩年の寵臣で、本多正信という人物がいます。
じつは、大阪城落城の筋書きを全部書いたのが本多正信
です。
彼がいなければ、あれだけ無茶苦茶な言いがかりをつけて、
京都五山の僧侶を全部引っ張りこむような荒業はできませ
ん。
狸おやじ・海道一の弓取という家康の権威と、悪魔も顔負
けするような正信の悪智恵とが合体したからこそではない
かと思います。
2008年11月25日 (火) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(7)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(7)
日本の政体が、何重にも入り組んだ構造になっているのは、
なぜか。
それは他でもありません、根本は嫉妬心の魔除けなのです。
日本の政治家は、藤原不比等の時代から今日まで、いかに
日本国民の嫉妬を避け、逸らしていくかに全身全霊をささ
げてきました。
そもそも嫉妬というものがなければ、それほど幾重にもな
った構造にする必要はありませんし、一元論で十分やって
いけるはずです。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(7)
日本の政体が、何重にも入り組んだ構造になっているのは、
なぜか。
それは他でもありません、根本は嫉妬心の魔除けなのです。
日本の政治家は、藤原不比等の時代から今日まで、いかに
日本国民の嫉妬を避け、逸らしていくかに全身全霊をささ
げてきました。
そもそも嫉妬というものがなければ、それほど幾重にもな
った構造にする必要はありませんし、一元論で十分やって
いけるはずです。
2008年11月24日 (月) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(6)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(6)
その「執権」の三代目・北条泰時が、また面白いことを
やります。
すでに武家政権の時代には、律令と世間の動きとは合わ
なくなってきています。
そこで、常識的に考えれば憲法改正国会でも開催すると
ころですが、泰時はそれをせずに「御成敗式目」という
新しい国法を作るのです。
じつは、日本民族は開闢(かいびゃく)以来、一度できた
国法を改定した記録がありません。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(6)
その「執権」の三代目・北条泰時が、また面白いことを
やります。
すでに武家政権の時代には、律令と世間の動きとは合わ
なくなってきています。
そこで、常識的に考えれば憲法改正国会でも開催すると
ころですが、泰時はそれをせずに「御成敗式目」という
新しい国法を作るのです。
じつは、日本民族は開闢(かいびゃく)以来、一度できた
国法を改定した記録がありません。
2008年11月23日 (日) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(5)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(5)
東洋史学者の内藤湖南が、こんな言葉を残しています。
いわく、「世界歴史とは、下層が上へ上がっていく
プロセスである」と。
たとえば日本の歴史でいえば、鎌倉幕府を作った
源頼朝が、下層から上層へのしあがった最初の例に
なります。
その後、日本の歴史もたしかに下から上がっていく
繰り返しです。鎌倉の名家でない足利氏が下から上が
っていき、農民の子から秀吉も成り上がり、名家でな
い徳川氏が上っていく。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(5)
東洋史学者の内藤湖南が、こんな言葉を残しています。
いわく、「世界歴史とは、下層が上へ上がっていく
プロセスである」と。
たとえば日本の歴史でいえば、鎌倉幕府を作った
源頼朝が、下層から上層へのしあがった最初の例に
なります。
その後、日本の歴史もたしかに下から上がっていく
繰り返しです。鎌倉の名家でない足利氏が下から上が
っていき、農民の子から秀吉も成り上がり、名家でな
い徳川氏が上っていく。
2008年11月22日 (土) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(4)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(4)
では、他の歴史上の人物は、どのようにして
時の権力者と相対しているのか。
前田利家のような身の処し方をした最初の人物は、
藤原不比等だと思います。藤原不比等の先祖は
天児屋根命(あめのこやねのみこと)。
これは神話の世界ですし、大化の改新があったか
どうかも問題ですが、しかし、あったとしてその
一大功臣が父親の鎌足。不比等は次男ですが、
跡継ぎになります。
日本では天皇家、出雲の千家、それから藤原家。
これが三大名家です。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(4)
では、他の歴史上の人物は、どのようにして
時の権力者と相対しているのか。
前田利家のような身の処し方をした最初の人物は、
藤原不比等だと思います。藤原不比等の先祖は
天児屋根命(あめのこやねのみこと)。
これは神話の世界ですし、大化の改新があったか
どうかも問題ですが、しかし、あったとしてその
一大功臣が父親の鎌足。不比等は次男ですが、
跡継ぎになります。
日本では天皇家、出雲の千家、それから藤原家。
これが三大名家です。
2008年11月21日 (金) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(3)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(3)
秀吉の場合、彼が並々ならぬ感受性の強さをそなえて
いただけでなく、思考能力が発達して、人を見る目の
ある人物であったからこそ、「恐れ」から「憎しみ」
に変ったのですが、
浮世のわれわれ凡夫の世界でも、嫉妬はある程度器量
の釣り合いの取れているなかで成立するものです。
「あいつには、全然かなわない」となると、
これはもう嫉妬どころではない。あきらめか、
憎しみの対象となるしかないでしょう。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(3)
秀吉の場合、彼が並々ならぬ感受性の強さをそなえて
いただけでなく、思考能力が発達して、人を見る目の
ある人物であったからこそ、「恐れ」から「憎しみ」
に変ったのですが、
浮世のわれわれ凡夫の世界でも、嫉妬はある程度器量
の釣り合いの取れているなかで成立するものです。
「あいつには、全然かなわない」となると、
これはもう嫉妬どころではない。あきらめか、
憎しみの対象となるしかないでしょう。
2008年11月20日 (木) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(2)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(2)
秀吉の場合、ことに黒田官兵衛に対しては、
嫉妬が高じて恐れになっています。
これも、「嫉妬論」を語る時の忘れてはならぬポイントです。
嫉妬の対象となる相手に、ただ嫉妬している間は、まだ軽く
見ているといえます。
ところが、もっと相手が大きな存在になると、今度は「恐れ」
になります。
秀吉にとって黒田官兵衛は、彼がいなければ天下取りはできな
かったろうと思えるぐらいの重要な人物です。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(2)
秀吉の場合、ことに黒田官兵衛に対しては、
嫉妬が高じて恐れになっています。
これも、「嫉妬論」を語る時の忘れてはならぬポイントです。
嫉妬の対象となる相手に、ただ嫉妬している間は、まだ軽く
見ているといえます。
ところが、もっと相手が大きな存在になると、今度は「恐れ」
になります。
秀吉にとって黒田官兵衛は、彼がいなければ天下取りはできな
かったろうと思えるぐらいの重要な人物です。
2008年11月19日 (水) | Edit |
谷沢永一著「嫉妬する人される人」幻冬舎より(1)
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(1)
人間は、そのスケールの大きい小さいが違うだけで、
だれでも嫉妬心を持っています。
ただし、それを認めたくないという気持ち、
あるいはそれを人に悟られたくないという気持ち、
自分は嫉妬しているけれども、家人にも友人にも
社会のだれからも「あいつは嫉妬している」とだけ
は思われたくないという気持ちも強いのです。
「あいつは少々怠け者だ」と言われるのはかまいません。
第一章 嫉妬が動かしてきた日本社会(1)
人間は、そのスケールの大きい小さいが違うだけで、
だれでも嫉妬心を持っています。
ただし、それを認めたくないという気持ち、
あるいはそれを人に悟られたくないという気持ち、
自分は嫉妬しているけれども、家人にも友人にも
社会のだれからも「あいつは嫉妬している」とだけ
は思われたくないという気持ちも強いのです。
「あいつは少々怠け者だ」と言われるのはかまいません。



